RED Digital IPP2を触ってみる
目次
こんにちは、代官山スタジオ撮影部です。
最近動画の話題から離れっぱなしだったので、久しぶりに動画関連です!
DavinciResolve15において、
RED DigitalのIPP2がようやく実装されたということで、
改めてその特徴をまとめていきたいと思います。
IPP2とは?
IPP2とは、Imaging Process Piplineの略です。
dragonColor2 と Red Gammma4用に開発されたワークフローとなっております。
旧来のRedColor2/3 REDGammma2/3もIPP2のフローに取り込まれた形になるが、
それ以降のパイプラインには対応してないので
注意が必要だ。
発表自体は、2016年なので2年ほど経過しておりますが、
なかなかDavinciには実装されませんでした。
こちらの経緯に関しては、情報をもっておりませんので
ご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください。
教えてもらえたら喜びます。
IPPS2の特徴①
さて、特徴なんですが。
- グレーディングを詰めていく際のより良いマネージメント
-原文-Better management of challenging color
- シャドーディテールの改善
-原文-Improved shadow detail
- ハイライトの飛びをよりスムーズに表現
-原文-Smoother highlight roll-off
- ミッドトーンの表現をより正確に
-原文-More accurate mid-tone hues
- 一定ピクセル内のディテール向上の為、デモザイクアルゴリズムを改善
-原文-An improved demosaicing algorithm to achieve detail at the same pixel resolution
- 不確かなワークフローをより簡素化
-原文-Simpler and more infinitive workflow
- HRDの為のワークフローを一から見直し
-原文-A workflow designed for HDR from the gorund up
- 業界標準のネーミング
-原文-Industry-standard naming
- カラースペースとガンマを標準化
-原文-Standardized color space and gamma
とあります。
紹介動画がありますのでご覧ください。
IPPS2の特徴②
まずは全体トーンの改善。
特にハイライト部分に注目すると。自然になっているのがわかる。
次はコントラストの改善。よりハイコントラストの表現が可能になっている。
HELIMUセンサーは、感度特性は、従来のセンサーと比較して、同じ感度設定でも1stopの違いがみられる。
その為、フラッシュメーターとマッチしやすいようだ。
いずれもより広いレンジで撮影できているのが確認できます。
新しいパイプラインであるred wide gamma と log3G10は従来のテクニックと同じように扱えるとしている。
そのため、今まで作成したLutやCDLデータもそのまま使えるとしている。
またHDRにも最適化されているとのこと。
カメラのセッティング
セッティングについては、下記の手順を踏むことになる。
⑤Output Color Spaceは表示するモニターに合わせる。 Output Tone Map デフォルトは[Medium Contrast] Highlight Roll-Off デフォルトは[Medium] これらは、現像時に変更できる。 |
撮影後の作業
撮影が終わると、仮編集・グレーディング作業をすることになるが、
その際に使用できるツールが、REDCINE-XとDavinciResolveだ。
REDCINE-X Pro
REDCINE-X ProはBuild50からIPP2に対応しているので、それ以前の場合は
バージョンアップを行っておこう。
カメラ側でCreativeLutまで設定している場合は、自動的にLutが当たった
状態で表示されるのでそのまま書き出せば問題ない。
関連するメニューは、
- Image:Primary
- Image:Grading
- Image:OutputTransform
なので、そのあたりをチェックしておけばよい。
基本的には、カメラで設定した情報がMETAとして保存されており、
そのMETAを拾ってきているので特に要望が無いようであれば、
修正する必要がない。
また、先にプロジェクトの設定も確認しておこう。
通常は、IPP2を使う設定になっていると思うので問題ないが、
Legacyプロジェクトも選択できるようになっているので、
もしプレビュー画面にIPP2関連の表示がなければここを確認しよう。
出力設定は、使用するモニターによって設定を変える必要があるので、
とくにHDR想定でいる場合は、注意が必要だ。
DavinciResolve15
バージョン15からIPP2を扱えるようになった。
参考に旧バージョンでは、下記のような設定項目となっている。
バージョン15では、下記のように[ColorScience]のプルダウンメニューから「Version3」が「IPP2」に置き換わっている。
この状態で、従来のREDColor3も選択できるようになっているので、確認してもらえればと思います。
ひとまず以上!